@article{oai:doshisha.repo.nii.ac.jp:00027187, author = {垣見,修司 and Kakimi, Shuji}, issue = {92}, journal = {同志社国文学, Doshisha Kokubungaku}, month = {Mar}, note = {万葉集巻十三の巻頭歌(三二二一)の長歌にある難訓句「汗瑞能振」は旧訓では「あめのふる」と訓まれているが、近年は「かぜのふく」と訓まれることが多くなっている。しかし、原文「汗瑞」を「かぜ」の仮名として訓むことには無理がある。「瑞」は祥瑞の意として「しるし」と訓まれるとともに「みづ」の訓もある。「汗」には身体から流れ出る「あせ」だけでなく、小さな水滴の意味もあり、「浩汗」のような熟語となって水が豊かな様子をあらわすこともある。いずれも水に関わる意義を持つ。万葉集においては春風と春雨がいずれも歌われるが、春雨の方が用例が多い。春風は強く吹く風として表現されるのに対し、春雨は類型表現を多く持ち、静かにやわらかく降る表現が多い点で、この歌には春雨が描かれていると見るのが良い。また汗を雨に譬える漢籍の表現があることから、「汗瑞能振」は逆に雨を汗にたとえる意図をもって「あめのふる」と訓ませようとしたと考えられる。「汗瑞」は春に降る小雨である「霡霂」の意を込めた表現である。, 廣田收教授退職記念号, application/pdf}, pages = {1--14}, title = {万葉集巻十三の巻頭歌 : 汗瑞之振の意義}, year = {2020}, yomi = {カキミ,シュウジ} }